今号では「朝食」について考えてみたい。今さらながらという部分もあるが、やはり大事なコンテンツであるので、今一度きちんと取り組んでおきたい項目である。
朝食についての大きな課題は主に二つある。一つはホームページ(HP)を含め、WEB上にコンテンツの紹介が圧倒的に少ない点。二つ目は、特に旅館において顕著であるが、朝食そのものに対して、力の入れ方が夕食に比べると圧倒的に弱いという点である。もちろん、夕食と朝食では原価が違うので、異なることは当然なのであるが、あまりにも差があるというのが、正直な感想である。
裏を返せば、周囲の旅館を見渡して、朝食に力点を置いている宿がなければ、大きな差別化要素となるのである。旅行者目線で考えても、ほぼ同列で比較している施設があったとして、朝食コンテンツがきちんとしており、WEB上に(HPにもOTAにも)きちんと掲載されている施設があれば、どちらに予約が流れるかは考えるまでもないであろう。
具体的にどうするかについては、夕食を基に考えればよい。どの施設も夕食については、念入りに写真を撮影し、こだわりを記載し、他施設と差別化を図るべくさまざまな工夫をしているはずである。同じことを朝食に当てはめて考えればよい。施設の人に聞くと、「自家製の○○」や「料理長自慢の玉子焼き」「地元で採れた○○」などを使用しているケースが意外と多い。
そして、忘れてはならないのが、そのことをきちんとWEB上でPRすべきである。試しにフォトギャラリーをいくつか閲覧してほしいが、朝食についてきちんと写真やコメントを掲載している施設は驚くほど少ない。
最近では、宿泊特化型ホテルの朝食のレベルも格段に上昇しており、「朝食がおいしい」という特集もよく組まれている。このような時流の中で、朝食というコンテンツについて見直しと強化を図るべきなので、今一度、自施設の朝食の内容や見せ方を点検してほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)